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ジャズ・ボーカルのアルバムを聴いていて、曲の中間に挟まれるトランペット・ソロに聴き入ってしまうことがよくあります。
好きなだけソロを演奏できる通常のコンボ・ジャズと違い、ハーフコーラスか、長くても1コーラスという短いサイズの中でインプロバイズし聴き手を唸らせることができれば名手の証と言えなくもない。その意味では歌ものの間奏はソリストの腕の見せ所、という見方もできると思います。

私はこの決められたサイズの中で簡潔にまとめられるソロを聴くのが好きで、それ目的でジャズ・ボーカルのCDをよく買います。
また、間奏だけでなくトランぺッターを思いっきりフィーチャーしたボーカル・アルバムも意外にあるものです。
そこで今回は、ジャズ・トランペッターが積極的に参加しているジャズ・ボーカルのCDを何枚か紹介してみようと考えました。
先に言っておきますが、ここで紹介するアルバムはあくまでもトランペット目的で買ったものなので、ボーカルに関してはほぼノーコメントになりますのであしからず。


ブラウニー~クリフォード・ブラウンに捧げる
ヘレン・メリル
ブラウニー~クリフォード・ブラウンに捧げる
1. ユア・アイズ
2. ダフード
3. ボーン・トゥ・ビー・ブルー
4. アイ・リメンバー・クリフォード
5. ジョイ・スプリング
6. 四月の思い出
7. ドント・エクスプレイン
8. ブラウニー
9. ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
10. アイル・ビー・シーイング・ユー
11. メモリーズ・オブ・ユー
12. ゴーン・ウィズ・ザ・ウィンド
13. ラルゴ~『新世界より』
まず最初に紹介するこのアルバムはすごいですよ。この1枚だけで一つの記事を書きたいくらいのジャズ・トランペット ファンにはたまらない1枚です。
ヘレン・メリル(Helen Merrill)と言えばまず思い浮かぶのがユード・ビー・ソーでお馴染みの「ウィズ・クリフォード・ブラウン 」。この名盤からブラウニーとの親交が深まったとのことですが、そのレコーディングからちょうど40年後の1994年に吹き込まれたのが今回紹介する「ブラウニー~クリフォード・ブラウンに捧げる(原題:Brownie / homage to clifford brown)」。
ヘレン・メリルの歌と共に4人のベテラン・トランぺッターがブラウニーゆかりの曲を次々に披露。ヘレン・メリルのアルバムでありながら各トランぺッターのソロが全面的にフィーチャーされた言わば「トランペット吹きのためのボーカル・アルバム」って感じです。
その肝心なジャズ・トランぺッターは、ロイ・ハーグローヴ、トム・ハレル、ウォレス・ルーニー、ルー・ソロフ。
曲ごとのクレジットはライナーを開かないと書かれていないのでここで紹介しておきましょう。

1.YOUR EYES  トム
2.DAAHOUD  ウォレス(インスト)
3.BORN TO BE BLUE  ロイ、トム、ウォレス、ルー
4.I REMEMBER CLIFFORD  ロイ
5.JOY SPRING  トム(インスト・独奏)
6.I'LL REMEMBER APRIL  トム
7.DON'T EXPLAIN  ロイ、ルー
8.BROWNIE  ロイ、トム(インスト)
9.YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO  ロイ、トム、ウォレス、ルー
10.I'LL BE SEEING YOU  トム、ルー
11.MEMORIES OF YOU  (ケニー・バロンのピアノ独奏)
12.GONE WITH THE WIND  (キーボードとヘレンのデュオ)
13.LARGO  ロイ、トム、ルー

見ての通りインストの曲も数曲吹き込まれていて、完全にトランぺッターびいきのアルバムとなっています。
特に参加曲数の一番多いトム・ハレルのプレイは絶好調でどの曲も見事なインプロバイズを披露しています。中でも「JOY SPRING」は無伴奏。フリューゲル1本だけでもトム・ハレルが演ればジャズになります。
そしてトリー・ジトー(Torrie Zito)がこのアルバムのために書いたという8曲目「BROWNIE」では、ロイ・ハーグローヴとトム・ハレルが腕を競い合う。曲良し演奏良しの1曲です。
他の曲もハズレなしです。後半トム・ハレルが出ずっぱりの「YOUR EYES」、ウォレス・ルーニーの正統派ソロが聴ける全編インストの「DAAHOUD」、ブラウニーのソロ・コピーを4人でアンサンブル演奏する「BORN TO BE BLUE」、ロイ・ハーグローヴのオブリガートとソロがフィーチャーされる「I REMEMBER CLIFFORD」などなど。 そしてヘレン・メリルの代表曲の「YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO」では、トランペット4本でブラウニーのソロをアンサンブル演奏。
トランペット吹きが喜ばないはずがない本作、おすすめです。

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さて、1枚目からかなり強力なアルバムを紹介してしまったので、強力ついでにもう1枚魅力的なアルバムを紹介しましょう。

ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
アレクシス・コール・ウィズ・ワン・フォー・オール
ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
1. ゴールデン・イヤリングス
2. アイ・ウィル・ウェイト・フォー・ユー
3. ムーン・リヴァー
4. デライラ
5. クライ・ミー・ア・リヴァー
6. アローン・トゥゲザー
7. ビューティフル・フレンドシップ
8. オール・ザ・シングス・ユー・アー
9. ソー・イン・ラブ
10. ユーヴ・チェンジド
11. ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ

アーティストはアレクシス・コール・ウィズ・ワン・フォー・オールでタイトルは「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」。
ワン・フォー・オールをバックにアレクシス・コールがスタンダードを歌ってます。現代のアメリカン・ハードバップの代表格ユニットがガッチリと脇を固めてるわけですからそりゃ貫録の演奏になりますよね。
そして当然のことながらエリック・アレキサンダー(T.Sax)、ジム・ロトンディ(Tp)、スティーブ・デイビス(Tb)のソロも存分に聴くことができ、ワン・フォー・オールのファンも満足できるアルバムになってると思います。
ワン・フォー・オールが演奏するだけあってかなりモダンでクールなサウンドとなっていますが、個人的な感想としてはちょっとアレンジが凝りすぎって感じがします。かなりリハーモナイズされていて、スタンダードなだけにもう少しスタンダードな響きで聴きたかった気がします。

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laika ライカ / Come a little closer
laika ライカ
laika ライカ / Come a little closer
1. And How I Hoped For Your Love
2. It's Easy To Remember
3. So I Love You
4. Divine
5. Loving You
6. If You Still The Same Afterwards. It Wasn't Love
7. The Music That Makes Me Dance
8. Go Away Little Boy
9. When Love Was You And Me
10. Wild Is The Wind
11. Being Me

laika ライカ / Come a little closer
各奏者の参加曲は裏面参照
次にガラリと雰囲気が変わって静かにしっとりと聴かせてくれる落ち着いたアルバムを紹介しましょう。
「laika / Come a little closer」。
ライカ・ファティエン(Laika Fatien)という女性ボーカルのアルバムなのですが、ジャズ・トランペッターが3人参加していて、それぞれになんとも言えない「いいソロ」を聴かせてくれています。
その3人のジャズ・トランペッターとは、
ロイ・ハーグローヴ(Roy Hargrove)、
アンブローズ・アキンムシーレ(Ambrose Akinmusire)、
グラハム・ヘインズ(Graham haynes)です。
ロイ・ハーグローヴは私の中ではいまだに新人トランぺッターというイメージが拭いきれないのですが、キャリアも年齢も、そして実力も間違いなくベテランですね。このアルバムでもベテランの貫録を感じさせられます。ロイは4曲に参加していますが、内3曲はフリューゲル、1曲はミュート・トランペットで演奏しています。
アンブローズ・アキンムシーレは今ニューヨークで最も注目されている若手トランぺッターと言われているようです。それを知って先日彼の2枚目のリーダー作でありブルーノート・デビュー作でもある「うちなる閃光(原題:When the Heart Emerges Glistening)」を買って聴いてみましたが残念ながら私好みではなかったのです。ところが今回紹介しているこのアルバムでのプレイを聴いて彼の注目度の高さが納得できました。音色といい音使いといいかなりの実力者だということが感じ取れます。
そしてグラハム・ヘインズ。ウィキペディアによるとジャズ・ドラマーのロイ・へインズの息子だそうです。といっても今回の3人のトランぺッターの中では一番年上なんですね。このアルバムでは2曲のみの参加でどちらも派手さこそありませんが、年長者らしい落ち着いたプレイを聴くことができます。
このアルバム、弦楽器やフレンチ・ホルン、アルト・フルートやバス・クラリネットなども加わっており、どこかクラシカルな響きを持っている曲が多いです。そしてまるで白黒映画でも観ているかのような独特な雰囲気を感じます。

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LOVES TRUMPETERS
前川陽子
LOVES TRUMPETERS
1. Stardust (feat.原朋直)
2. Avalon (feat.エリック・ミヤシロ&奥村晶)
3. Feelings (feat.原朋直)
4. The Good Life (feat.松島啓之)
5. Alfee (feat.エリック・ミヤシロ)
6. Perdido (feat.奥村晶)
7. Nature Boy (feat.前田憲男[pf])
8. Smile (feat.松島啓之)
9. On Green Dolphin Street (feat.片岡雄三[tb])
次に紹介するアルバムは以前にもこのブログで取り上げた日本のアーティストによるアルバムです。
前川陽子さん(vo)の「LOVES TRUMPETERS」。
原朋直、松島啓之、エリック・ミヤシロ、奥村晶という、日本を代表する4人のトランペッターが参加しているすごいアルバムです。
ここではアルバムの紹介だけに留めておくことにして、詳しくは以前書いたこちらの記事を見てください。

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ここまで紹介してきたアルバムは、ボーカル・アルバムでありながら共演者にもたっぷりスポットを当てようというコンセプトが感じられるものばかりでしたが、次にさりげない管楽器ソロを入れたアルバムも2枚紹介しておきましょう。

カム・ドリーム・ウィズ・ミー
ジェーン・モンハイト
カム・ドリーム・ウィズ・ミー
1. 虹の彼方に
2. ヒット・ザ・ロード・トゥ・ドリームランド
3. スプリング・キャン・リアリー・ハング・ユー・アップ・ザ・モースト
4. ウォーターズ・オブ・マーチ
5. アイム・スルー・ウィズ・ラヴ
6. アイル・ビー・シーイング・ユー
7. サムシング・トゥ・リヴ・フォー
8. ソー・メニイ・スターズ
9. イフ
10. ブレイム・イット・オン・マイ・ユース
11. ケース・オブ・ユー
12. ノーバディ・エルス・バット・ミー

まずは、ジェーン・モンハイトの「カム・ドリーム・ウィズ・ミー」。
これを「さりげないソロ」と言っていいかわかりませんが、なにしろすごいメンバーがプレイしてます。
管がトム・ハレル(tp)、マイケル・ブレッカー(T.sax)、リズム・セクションだってケニー・バロン(p)、クリスチャン・マクブライド(b)、グレッグ・ハッチンソン(ds)、リチャード・ボナ(g,b:1曲のみ)という豪華さです。
ちなみにリチャード・ボナは1曲のみの参加と言ってもその1曲(11-「A Case Of You」)はモンハイトとのデュオでの参加です。
このアルバム、トム・ハレルやマイケル・ブレッカーの話題に行きたいところですが、その前に歌の良さをまずはお伝えしたいですね。
レコーディング(2001年)の時点で23歳。とてもその若さを思わせないほどの上手さと雰囲気をもっています。アルバム全体を通してゆったりした曲ばかりを集めてますが、実力と自信があってこその選曲なのだと思います。
この本格的なジャズ・ボーカルに大物ミュージシャンが加わり質の高いアルバムに仕上がってます。
トム・ハレルは全12曲のうち4曲(1、4、8、10)に参加し、そのすべての曲でソロを披露しています。

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Yesterday When I Was Young
キャロル山崎
Yesterday When I Was Young
1. Nica's Dream
2. Yesterday When I Was Young
3. Theme From The Fox "That Night"
4. So Many Stars
5. Estate
6. The World We Knew, Over And Over
7. Wednesday's Child
8. Volare
9. Angel Eyes
10. Gee, Baby Ain't I Good To You
11. Time After Time
12. Mood Indigo
13. Live For Life
キャロル山崎/イエスタデイ・アイ・ワズ・ヤング

最後に紹介するのはファブリツィオ・ボッソがゲスト参加しているアルバム「キャロル山崎/イエスタデイ・アイ・ワズ・ヤング」です。
ローマでのレコーディングとのことですが、それにしてもファブリツィオ・ボッソをはじめイタリアのミュージシャンが多数参加していてあまりに豪華です。
ボッソの参加は3曲のみですが、ここでもボッソらしいキレのあるソロは聴きごたえたっぷりです。また、サックスのマウリツィオ・ジャンマルコ(Maurizio Giammarco)という人、名前も知りませんでしたがすごくいいですね。今流行り(?)のヨーロピアン・ジャズに感じられる正統派のプレイで貫録を見せています。

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ジャズ・ボーカルってバックバンドのピアニストが間奏でソロをとったり共演者の管楽器ソロがあったり、あるいは歌にオブリガートで絡んだりといろんな楽しみがあるんです。
インストのCDばかりでなくボーカル・アルバムもいろいろ探してみると、意外なところで好きなアーティストのプレイに出会うこともあります。
まだまだ紹介したいアルバムはたくさんありますがまた機会があったら紹介しようと思います。
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