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今回はジャズ・トランペッターにとってちょっと気になるCDを紹介してみます。

前川陽子「LOVES TRUMPETERS」
LOVES TRUMPETERS
今年(2011)5月30日に発売された前川陽子さん(vo)のCD「LOVES TRUMPETERS

タイトルだけでもかなり気になりますが、参加ミュージシャンを知ったらもう買わなくてはいられなくなるでしょう。
日本を代表するジャズ・トランペッターが4人も参加しているのです。
原朋直、松島啓之、エリック・ミヤシロ、奥村晶。
演奏する曲はスタンダードな曲ばかりで、この4人のトランペッターがそれぞれ2曲ずつ演奏しています。

1. Stardust feat.原朋直
2. Avalon feat.エリック・ミヤシロ&奥村晶
3. Feelings feat.原朋直
4. The Good Life feat.松島啓之
5. Alfee feat.エリック・ミヤシロ
6. Perdido feat.奥村晶
7. Nature Boy feat.前田憲男(pf)
8. Smile feat.松島啓之
9. On Green Dolphin Street feat.片岡雄三(tb)

もちろん主役はヴォーカルの前川陽子さんですが、間奏で聴かせてくれるトランペット・ソロに酔いしれることができます。
どの曲も素晴らしいのですが特に気に入ったのは、究極のジャズ・ノートでいかしたフレーズを絡める原朋直氏の「Stardust」、そしてメロウなフリューゲルで歌心に包まれるエリック・ミヤシロ氏の「Alfee」。

トランペット以外の参加ミュージシャンも紹介しておきましょう。
pf、arr:前田憲男
b:荒川康男(1、6、8)
b:加藤真一(2、3、4、5、9)
tb:片岡雄三(2、9)
as:近藤淳(2)
bs:つづらのあつし(2)
ds:宮地良幸(2)


そしてこのCD、ライナーに書かれた内容がトランペッター心をくすぐります。
それは各トランペッターがレコーディングに使用した楽器やマウスピース、そしてミュートまでもが詳細に紹介されているのです。
前川陽子「LOVES TRUMPETERS」


なぜだか発売当初からあまり話題にならなかったこのCDですが、ヴォーカルに関しては聴く人の好みよって受ける印象が異なるかもしれませんが、トランペット・ソロはどの曲も納得のプレイでベテランの腕を見せ付けてくれています。
歌モノのアルバムにこれだけの一流トランペッターが参加している珍しいCD。ジャズ・トランペッターなら持っておきたい一枚ではないでしょうか。

LOVES TRUMPETERS
前川陽子
B0052DYNMQ
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中1からトランペットを始めた長男は現在中2。
今まで私のお古のトランペットを使わせていたが、今年入ってきた1年生もすでに新しいトランペットを買い始めているらしく、今まで我慢してきた息子も最近さすがに自分のトランペットが欲しくなってきたようだった。しつこくねだってくるようになってきたのでいよいよ新しいトランペットを買ってあげることにした。

初心者がトランペットを選ぶ際、非常に大切な条件がある。それは「楽に音が出せる(鳴らせる)楽器を使うこと」。これはトランペットの世界では常識と言っていいだろう。
初心者はただでさえ音を出すことに労力を使うことになるため、少しでも楽に吹ける楽器を選ぶことが重要になってくる。その結果、無駄な力を使わずリラックスした状態で練習をすることになり、その分早く上達していくのだ。
上級者向けの楽器というのは豊かな響きを得ることができる。しかしそれは演奏者にそれだけの技量があるからこその話であり、つまりそれなりの労力(上級者は労力と感じないが)を使っていることになる。初心者の場合、このような言うなれば労力を必要とする楽器よりも、いわゆる初心者向けに作られた楽器のほうが、結果として魅力的な音色を奏でることができると私は考える。
私はそのようなことから、息子にはヤマハのYTR-2335か4335あたりを候補として考えていた。

しかしそうもいかない事情があった。
それは、吹奏楽部のトランペットのメンバーの個人が所有している楽器はすべてバックだということだからだ。
吹奏楽部の伝統なのか、はたまた方針なのかわからないが、おそらく以前からトランペットはバックを使うという流れが根付いてしまったのではないだろうか。

現在1年生から3年生までほとんどの子の楽器は個人所有で、すべてシルバーのバックらしい。そんな状況の中、ウチの子だけヤマハというわけにもいかなそうだし、みんながバックを持っていれば当然本人だってバックを欲しがるのも仕方のないことだろう。
というわけでバックを買ってあげることになったのだ。


さて、久しぶりに楽器選定をすることになる。
買うのはバック180ML37/25シルバー・・・つまり一番フツーのバックだ。
まったく同じモデルの中から良いものを選ぶ。
安い買い物ではない・・・なるべく息子と相性のいい個体を選んであげたい。
どんなふうに選定するべきか。自分の楽器なら選びやすいが・・・

「そうだ、エリックさんに相談してみよう!」

早速電話をかけ、
「・・・というわけなんですが、選定のしかたをアドバイスいただきたいのですが。」

・・・いろいろとアドバイスをいただき・・・

「ありがとうございました。」
「どこで買うの?」
「シアズさんです。」
「いつ行くの?」
「○月○日に行こうと思ってます。」
「・・・そっかぁ、見てあげたかったけどその日は予定が入っちゃってるな。」

えっ!!

こんなチャンスは滅多にありません。何度か電話でやりとりし、エリックさんの超多忙なスケジュールのピンポイントのすき間に私と息子のために時間を取って頂けた。
そしていつもお世話になっているシアズの吉野さんにも立ち会っていただけるようスケジュールを調整して頂くことができた。

こうして私の息子の楽器選定にエリックさんがお手伝いして頂けることになったのです。

実は我家とエリックさんファミリーとは10年以上前から交流を持たせて頂いており、息子は2歳ごろから何度となくエリックさんとお会いしている。
しかし今回息子がエリックさんとお会いするのは数年ぶり。さすがに緊張しているようだった。

シアズさんは4本の在庫を確保してくれていた。
トランペット選定
試奏するエリック宮城氏
エリックさんはまず4本のトランペットを順番に、マウスパイプを覗いたり、チューニングスライドを抜いてみたり、その他楽器の各部を念入りにチェックしてくださった。
そしてエリックさんはこの4本のトランペットを順番に吹いてみる。簡単なフレーズを丁寧に確認するように吹いていた。全て吹き終わると「4本とも問題ないね。」と言い、息子に「この中で気に入った楽器はあった?」と聞く。
息子はエリックさんが到着する前に予め少し試奏していた。息子は端から2本目を指差し「これが吹きやすい気がしました。」と答えた。

そしてエリックさんのアドバイスを受けながら選定開始。
今回はエリックさんに選定して頂くわけではない。エリックさんのアドバイスを頂きながら、あくまで息子が自分で吹き、相性の合う楽器を選定するという形をとる。

エリックさんからお聞きした楽器選定のポイントは、「あまりたくさん吹かないこと」だそうだ。
1本あたりにたくさん時間をかけてしまうとその楽器に身体が慣れてしまい自分に合う楽器と合わない楽器がわかりづらくなってしまうらしい。
まずエリックさんは私の息子に「学校でやっている曲の一部分を短くていいから吹いてごらん。」と言い、息子は部活で吹いている曲の中の1フレーズを吹く。
トランペット選定
全く同じフレーズを1本ずつ順番に吹いていく。3本目の楽器を吹いたとき、上のF(実音E♭)をはずしてしまった。
エリックさんは「この楽器に対してすぐに悪い印象を持たずに一度唇をブルブルと震わせ、唇をリセットしてからもう一度吹いてごらん。」とアドバイスする。
息子は唇をブルブルと震わせリセットし、もう一度同じフレーズを吹く。
今度は同じFのところで音ははずさなかったが少しかすれてしまった。
エリックさんは「2回ともうまくいかなかったからこの楽器は候補から外しましょう。」と言って、この楽器を逆向きにテーブルに置いた。
続いて4本目。3本目でうまくいかなかったところも問題なく吹くことができてクリア。

「次に下のドぐらいから音階を吹いていき、出せるところまで上がっていってごらん。」
息子は1本ずつ音階を吹いていく。1本目と2本目は上のソあたりまできちんと音が出た。3本目はとばし、4本目を吹いたとき、上のソがかすれた。先ほどと同じように唇をブルブルと震わせリセットさせる。そしてもう一度吹いてみたが、やはり上のソでかすれた。
「これも候補から外していいでしょう。」
ということであっという間に2本に絞られた。

「今度は吹きやすい音を、pからfまでクレッシェンドしていってごらん。」
息子はチューニングのB♭を小さい音で吹き始め、少しずつ音量を上げていく。1本目と2本目を吹き終わり、聴いている私には大きな違いは感じられなかった。
エリックさんは息子に「どっちの方が楽に吹けた?」と聞くと、息子は2本目を指差し「こっちの方が楽に吹けたような気がしました。」と答えた。
するとエリックさんは「それならこれ(2本目)に決めてもいいんじゃないかな。」と言い、無事4本の中から息子に合う1本が選ばれた。

楽器選定のポイントとして「あまりたくさん吹かないこと」と聞いてはいたが、ここまで少ししか吹かずに決めてしまうんだなと少しビックリした。


楽器選定が終わり、今度は図々しくも息子の奏法を見ていただいた。
息子の前歯は上と下の歯の前後関係の位置に大きな差があり、そのせいで楽器がかなり下を向く。
私は「下アゴを前に出して楽器がもう少し前を向くようにした方がいいですか?」と聞くと、エリックさんは息子の吹いているときの状態や歯の状態などをチェックし、「このままで問題ないよ。」と言われた。
理由は、下アゴをわざわざ出して楽器を吹くと、アゴの下から首筋にかけての筋肉に力が入り、無理をした奏法になってしまうとのことだった。
「もっとベルを上げて」と言われたら、首の角度を変えるのではなく、上体(腰から上)を反らすようにしてベルを上げればいいとのことだ。
        
         我が息子の奏法を念入りにチェックするエリック氏



このあと、息子からの質問「高い音を太くするにはどうすればいいのですか?」に対してエリックさんは、実演を交えながら実に丁寧に詳しく教えてくれた。
        



エリック・ミヤシロEM1マウスピース
エリック氏からマウスピースのプレゼント!!
そして最後になんとエリックさんから普通では考えられないサプライズ・プレゼントが息子に手渡された。
それはなんとエリックさんが普段、予備として持ち歩いているマウスピース、ヤマハのEM1!
これには息子はもちろんのこと、どちらかと言うと私やシアズの吉野さんの方が驚いた!!
        


そしてこのあとは大変マニアックな内容盛りだくさんの時間に突入。
私は吉野さんとエリックさんの会話について行くのがやっとでした。

このようにして楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。



吉野さん、スケジュールの調整やその他様々なフォローをありがとうございました。
そしてエリックさん、この度はお忙しい中、本当にありがとうございました。
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