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「1961年元旦の夜、一行は羽田空港に降り立ちました。・・・」

ジャズ専門誌「ジャズジャパンVol.5」の中で、ジャズ愛好家の雑木林進氏がジャズ本を紹介するカルチャー・レビューというコーナーで、記事の中に書かれた一文だ。

"一行"とはアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズのことである。
興味が湧いて読み進めていくと、ジャズ・メッセンジャーズの初来日のときに関する話題が書かれていた。

ある本には、「飛行機から降りると、そこは花束を抱えた若い日本女性でいっぱいだった」、またある本には「彼らは空港でキモノ姿の数百人の日本女性の嬌声に迎えられ、それは3年後にビートルズを歓迎するアメリカのファンと同様の熱狂ぶりだった」などと書かれていたことなどが紹介されていた。

今からちょうど半世紀前、当時の日本にとってはあまりに大物すぎるアーティストたちが来日するということで、これほどの熱狂ぶりは当然といえば当然だったのかもしれない。
この初来日したアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズのメンバーは、アート・ブレイキーのほか、トランペットはなんとリー・モーガン、そしてウェイン・ショーター(Sax)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)というジャズの歴史を上書きしてきた大物ばかり。

前回の記事で紹介した1958年のジャズ・メッセンジャーズからは、サックスがベニー・ゴルソンに替わってウェイン・ショーターが参加している。
そしてこの初来日時、メンバーの中で一番人気だったのが、トランペットのリー・モーガンだったらしい。

「ん?」・・・「もしかして」

この記事を読んでいて私は以前買ったDVDを思い出した。

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズのDVDで、表カバーにリー・モーガンとウェイン・ショーターが写っているのがあったはずだ。
すぐにラックから取り出して見てみた。

「ART BLAKEY'S JAZZ MESSENGERS TOKYO 1961 + LONDON 1965」

そして裏を見てみると・・・「やっぱりそうだ!」

そこに書かれた収録データは、

「TBS-TV Studios, Tokyo, Japan, January 11,1961」

・・・1961年1月11日に東京で収録された映像だ。

初来日を果たしたジャズ・メッセンジャーズはTBSテレビに出演していたのだ。そして何と日本を代表するビッグバンド「原信夫とシャープス&フラッツ」と共演している。
そのときの模様を収録したのがこのDVDだ。

このDVDにはこのほか、1965年にロンドンで収録された映像も入っている。

Art Blakey's Jazz Messengers: Tokyo 1961 & London 1965 (2007) [DVD] [Import]>> amazonで詳しく見る
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<1961年、東京>
01. THE SUMMIT
02. DAT DERE
03. A NIGHT IN TUNISIA
04. YAMA
05. MOANIN' ※
06. BLUES MARCH ※


Lee Morgan(tp)
Wayne Shorter(ts)
Bobby Timmons(p)
Jymie Merritt(b)
Art Blakey(ds)
※原信夫とシャープス&フラッツ(on 5&6)
<1965年、ロンドン>
07. ON THE GINZA
08. LAMENT FOR STACY
09. THE EGYPTIAN
10. I CAN'T GET STARTED
11. BUHAINA'S DELIGHT

Lee Morgan(tp)
John Gilmore(ts)
John Hicks(p)
Victor Sproles(b)
Art Blakey(ds)



< 前半に収録されている1961年・東京 >
リー・モーガンリー・モーガン
22歳のリー・モーガン
ウェイン・ショーターとリー・モーガン

リー・モーガン

リー・モーガン
原信夫とシャープス&フラッツと共演するアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズビッグバンドをバックに熱演するリー・モーガン


< 後半に収録されている1965年・ロンドン >
リー・モーガンリー・モーガン
リー・モーガンとジョン・ギルモアがフロントを務める。このときリー・モーガンは26歳

このDVDでのリー・モーガンは、1961年の日本では22歳、1965年のロンドンでは26歳。

前回の記事で紹介したベルギーでのコンサートを収録したDVDと比べると画質は落ちるが、リー・モーガンのプレイはやはり素晴らしい。
そして、特にすごいのが「A NIGHT IN TUNISIA」でのリー・モーガンの最後のカデンツァだ。約1分間ものすごくかっこいいソロを吹く。この1分間のためだけでもこのDVDを買う価値はあると思ってしまうほどだ。

そして原信夫とシャープス&フラッツと共演しているのは5曲目「モーニン」と6曲目「ブルース・マーチ」の2曲のみ。
日本を代表するビッグバンド、シャープス&フラッツもここではさすがにやや脇役的な印象を受ける。しかしこのテレビ放映が、この2曲が日本でも人気曲になるきっかけになった映像といってもいいのかもしれない。


ベルギーのコンサートDVDに続いてこちらもリー・モーガンのファンにはたまらない一枚だと思う。
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リー・モーガン

1958年10月30日。20歳のリー・モーガンはジャズ界の歴史的な名盤となるレコーディングを行った。

モーニン
ジャズの名盤「モーニン」
そのアルバムとは、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」だ。→
このアルバムは今さらあれこれ細かいことを言うまでもなく、ジャズを代表するアルバムと言っても過言ではない大ヒット・アルバムだ。
タイトル曲の「モーニン」は、ジャズと無縁の人でもたぶん一度は耳にしたことがあるはず。聴けば「ああこの曲かぁ」となるだろう。
テーマももちろんだが、リー・モーガンのソロはあまりにもカッコ良すぎで最後まで歌えるという人も多いのではないだろうか。

で、このアルバムのレコーディングが終わってからちょうど1ヶ月後の同年11月30日、まだそのレコード「モーニン」が発売される前にコンサートが行われていたのだ。
そのコンサートではこのタイトル曲の「モーニン」も演奏している。もちろん同じメンバーで。

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ
     [ 1958年11月30日、ベルギーで行われたコンサートの様子 ]

レコード発売前だからお客さんはだれもこの名曲を知らない。お客さんは皆このコンサートで初めて「モーニン」を聴くのだ。
レコードと同じくモーニンの作曲者ボビー・ティモンズのピアノがテーマを投げかけ、それにリー・モーガンとベニー・ゴルソンのホーンが応える。
テーマに続いてリー・モーガンがこれまたレコードと同じあの有名な出だしからアドリブが始まり、そしてその後はもちろんレコードとは違う展開になるが、やはりモーガン節が炸裂するのだ。

そんなジャズ界の歴史的な瞬間と言えるこのコンサートだが、もしそのときの映像があるとしたらだれもが観たいと思うのではないだろうか。

なんとそれがあるんです!!

DVD「アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ ライブ・イン'58」
Live in '58 [DVD]1.Just By Myself
2.Moanin'
3.I Remember Clifford
4.It's You,Or No One
5.Whisper Not
6.A Night In Tunisia
7.NY Theme
アート・ブレイキー(ds)
リー・モーガン(tp)
ベニー・ゴルソン(sax)
ボビー・ティモンズ(p)
ジミー・メリット(b)

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ ライブ・イン'58【楽天】

ベルギーでのコンサートをテレビ放送用に収録したものらしい。大きなホールで演奏している。
映像はもちろん白黒だが画質は良好。そしてなんといっても音質がいいのが嬉しい。カメラアングルも文句ない。演奏中のリー・モーガンをアップで捉えており、口元や指使いが手に取るようにわかるのだ。

アート・ブレイキーは出来立てホヤホヤのモーニンを紹介するとき「このレコードを買って私たちを救済してください。」なんてジョークを言う場面も映っている。

そしてなんと言っても演奏はどの曲を聴いても本当にすばらしい。
リー・モーガンの洒落たフレーズを絡めた「アイ・リメンバー・クリフォード」、ハーマン・ミュートを使った「ウィスパー・ノット」、ジャズ・メッセンジャーズの看板曲の「チュニジアの夜」など、曲も演奏もまったく文句ない。


< 以下の写真はこのDVDのキャプチャー画像 >
アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズリー・モーガンとベニー・ゴルソン
アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズフロントのリー・モーガンとベニー・ゴルソン

リー・モーガンリー・モーガン
ホールにはたくさんのお客さん。
この人たちはこの時初めてあの名曲「モーニン」を聴く。
リー・モーガンのドアップ。
画質がいいので口元や指使いがよくわかる。

こんなすごい映像、実はある偶然から発見されたらしい。
当初、フレディ・ハバードをフィーチャーした1965年のアート・ブレイキーのコンサートを収録する予定であったが、ベルギーにマスターテープの送付を依頼したところ、間違ってこの1958年のこのコンサートの映像が送られてきたらしい。
この映像、実に48年間も人知れず埋もれていたということだ。2006年にDVDとなって発売され、リー・モーガンのファンの間で話題になった貴重な1枚だ。


ちなみに当初予定されていた1965年のフレディ・ハバードがフィーチャーされたコンサートのDVDは、2009年にちゃんと発売されているようだ。↓

アート・ブレイキー - ライヴ・イン '65 《ジャズ・アイコンズ DVDシリーズ4》アート・ブレイキー - ライヴ・イン '65 《ジャズ・アイコンズ DVDシリーズ4》
曲名リスト
1. The Hub
2. Blue Moon
3. Crisis
4. NY Theme
アート・ブレイキー(dr)
フレディ・ハバード(tp)
ネイサン・デイヴィス(sax)
ジャッキー・バイアード(p)
レジー・ワークマン(b)
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