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BUDDY RICH ALL-STAR ALUMNI BIGBAND 毎日昼休みに会社のパソコンでブルーノート東京の新規公演をチェックするのが日課となっている。
ある日の昼休み、いつも通りブルーノート東京のホームページを開いた途端、目に飛び込んできた「BUDDY RICH ALL-STAR ALUMNI BIGBAND」の文字。

胸騒ぎがした。

早速リンク先の詳細ページへ飛び出演メンバーを確認。
その瞬間全身が熱くなった。
トランペットのメンバーがなんと、Chuck Findley、Charley Davis、Bob Coassin、そしてEric Miyashiro!
さらにBob Sheppard(Sax)やPeter Erskine(Dr)の名前まである。
日程は6月後半の平日4日間。こんなすごいメンバーで構成されたビッグバンドを聴ける機会なんてそうはない。どの回を聴くべきかかなり悩んだ挙句、すべての公演日を1日1ステージずつ4回分予約した。

このライブ、なんといってもトランペットのメンバーが凄すぎる。こうなるとポジションが気になって仕方がない。誰が何番を吹くかということだ。それを考えると夜も眠れない。
私なりに立てた予想は、Lead Eric、2nd Chuck、3rd Charley、4th Bob。
チャーリー・デイビスが3rdというのは普通じゃ考えられないけどこのメンバーじゃ仕方がなかった。だってエリックさんのリードは動かせられないでしょ、ましてここは日本だし。チャック・フィンドレーの2ndは絶対間違いない、100%自信あり。そうするとチャーリー・デイビスには3rdに座ってもらうしかなくなる(ブルーノートは椅子ないか)。ボブ・コアシンは正直あまりよく知らなかったので4th(ごめんなさい!)。チャックと一緒にジェームス・ラスト楽団で吹いてたということしか知らなかったけど実は過去にバディ・リッチでリード・トランぺッターだったことをあとで知った。

そして話しは飛んでライブ当日。
6月24日(月)、初日は1stステージを予約していた。この日の席はど真ん中の前から2番目。ドラムもラッパもよく見える。ドラムセットは前後に2つセットされている。

バディ・リッチ・アルムナイ・ビッグバンド

バディ・リッチ・アルムナイ・ビッグバンド

とにかくラッパのポジションを知りたくて始まるまで待てなかった。すると会場にエリックさんを発見、すぐに挨拶しに行きさっそく「ラッパのポジション教えてください!」と。

「ボブがリード、チャックが2nd。僕は3rd。チャーリーは都合により来られなかったんだ。代わりに佐久間くんが4番にトラで入るんだ。」

エリックさんがリードじゃないのと、チャーリー・デイビスも欠席。これは正直かなり残念だった。このバンドこそエリックさんにリードを吹いてもらいたかったし、チャーリー・デイビスは姿だけでもナマで見てみたかった。

時間になりメンバー登場。
あれ?
サックスが4人しかいないことに気付いた。なんと楽しみにしていたテナーのBob Sheppardがいない。これまたすごく残念。
そして今回ドラムは3人の名前が発表されていたいたが、まず登場したのがグレッグ・ポッター(Gregg Potter)。この人よく知らなかったがビジュアルはまるでジョニー・デップ扮するシザーハンズだった。
そして肝心のトランペット・セクション。聞いていたとおり向かって左からチャック・フィンドレー、ボブ・コアシン、エリック宮城、佐久間勲と並ぶ。

まず1曲目、シザーハンズがビートを刻みはじめ、カウントを合図に「DANCING MAN」が始まった。すごい大音量で会場大盛り上がり。1曲目からこんなに盛り上がっちゃっていいの?ってぐらいパワフルな演奏で、ラッパセクションもバリバリ吹きまくっている。
リード・ラッパがよく鳴ってるなぁ、と思ったらチャック・フィンドレーがリードを吹いている。チャックの音は相変わらず密度が濃く図太い音でよく飛んでくる。
大音量、大迫力の演奏は盛り上がるし楽しいけど、このドラムちょっと叩きすぎじゃない?とやや冷静に聴き始めてしまった。普通のビッグバンドだったら絶対にバンマスに「ドラムうるさいよ!」って言われるだろう。サックスのソロのときも音量が下がることはない。これじゃあラッパもたまらないだろうなぁ、と思って聴いていたが今回のこのメンバーやはり半端じゃない。こんな大音量の中でもパワフルに吹ききってしまう。一流リード奏者が4人集まるとさすがに無敵である。

続く2曲目、「GROOVIN HARD」。アマチュアバンドでもよく演奏される曲なだけに始まった途端に大歓声。私も感激した。
この曲はボブ・コアシンがリードを吹いているがあまり聴こえてこなかったのが残念。このバンド、なにしろドラムが常にフォルテシモで叩いているからバンド全体の音量がものすごい。この状況でリードをこなせるのはパワーだけじゃなく「通る音色」の持ち主じゃないと務まらないのだろう。なんたってボブ氏の両隣はその「通る音色」の持ち主である。仕方ないよね、と勝手に納得した。

3曲目、同じく大迫力で始まった曲はなんと「NUTVILLE」。これもお客さん大喜び。そしてさらに嬉しいことにリードはエリックさんだ!「そうそう、このサウンドを聴きたかったんだよ!!」と心の中で叫んでしまった。やっぱり違うよエリックさんのリード。こんなにも違うものかね、とエリックさんの凄さを再認識。大迫力の演奏の中をひときわ響くハイAが貫いてくる。その度に客席から歓声が起きる。みんな同じ気持ちなんだ。
そして途中チャックがアドリブ・ソロを華麗に演奏する。その姿を食い入るように見つめ続けるエリックさんも印象的だった。

4曲目は「KEEP THE CUSTOMER SATISFIED」。冒頭のテーマからラッパセクションは相変わらず鳴りまくり。リードはボブさんのようだ。

そして次の曲。ステージの両サイドに設置されている大画面モニターから、白黒のかなり古い映像が流された。バディ・リッチ楽団をバックにバディの娘キャシーが「BEAT GOES ON」を歌っている映像だ。
しばらくするとリズムセクションがリズムを出し、映像と同じ曲のイントロが始まった。ステージには本物のキャシー・リッチ(Cathy Rich)がニコニコしながら立っている。大歓声の中、映像と違った大人の歌声を聴かせてくれた。キャシーはこの一曲しか歌わなかったのがちょっと残念。

さて次はいよいよゲストのピーター・アースキンが登場。リズムセクションから始まるブルースはこの日初めてのミディアム・スロー。このイントロだけで会場の空気が一変したように感じたのは私だけじゃないはず。
ホーン・セクションが吹き始め「BASICALLY BLUES」が始まった。お客さんはほとんど皆ピーター・アースキンに注目しているようだ。なんたってこの切れの良さ、絶妙なタイム感、おかずのセンスの良さ、すべてが違う。ドラムが変わるとバンドのサウンドもずいぶん変わるものだ。リードラッパはチャック・フィンドレー。

アースキンが叩く2曲目「MACHINE」。切れのあるドラムはこの曲のようなスリル感のある演奏をさらに盛り上げる。この曲もチャックがリードを吹いている。

そして次の曲。ピーター・アースキンが速めの4ビートを刻み始めたとき、「もしかして!」と思った。多くの人がこの曲を期待していたのではないだろうか。始まった曲は「LOVE FOR SALE」。会場の熱気は一気に頂点に達した。
途中のトランペット・ソロをチャック・フィンドレーが吹く。難しいこのソロをチャックは鮮やかに吹く。そしてその姿をエリックさんはまた見つめている。

ピーター・アースキンのプレイはバンド全体のサウンドをビシッと引き締めるほど切れがあるのだが、見ていると実に柔らかで全身の力が抜けものすごくしなやかな動きだった。その貫録のあるプレイをもっと見たかったがここでまたドラムが入れ替わる。

キャシーの紹介で登場したのはキャシーの息子、すなわちバディ・リッチの孫のニック・リッチ(Nick Rich)。
腕や首にまでタトゥーを入れたニックはまるでやんちゃ少年のような振る舞いで観客を沸かす。

ニックがバンドに加わって演奏した曲は「MERCY, MERCY, MERCY」「SLOW FUNK」「BEULAH WITCH」の3曲。ピーター・アースキンの3曲で4ビートムードだった会場が一転して今度は8ビートで盛り上がる。

ガンガン叩きまくるニックだが、しっかりしたテクニックもありビートにきちんとバンドを乗せている。ドラムソロも聴きごたえがあり存分に楽しませてくれた。ただ3曲ともほぼ同じテンポ、同じ曲調の8ビートだったのが残念。ニックの4ビートを聴きいてみたかった。

最後の曲が終わると会場からはアンコールを催促する拍手が鳴りやまない。キャシーがピーター・アースキンをステージに呼び、アンコールに応える。アースキンのジャズワルツのイントロから始まったのは「WILLOWCREST」。アースキンがプレイするこの曲はものすごくかっこ良かった。途中のチャック・フィンドレーのトランペット・ソロもパワフルかつメロディックで素晴らしかった。


今回のBUDDY RICH ALL-STAR ALUMNI BIGBANDのライブ、トランペット・セクションのメンバーがあまりに魅力的だったので公演日4日間とも聴きに行ってしまったが、全体を通しての一番の感想としては、私はトランペット吹きなのでやはり「エリックさんにリードを吹いてほしかった。」ということに尽きる。もちろんこのモンスターバンドで最後まで吹ききったボブ・コアシンさんも本当にすごい人だと思う。しかし正直なところ、必死に吹いている感じが音からも伝わってきたし、やはりサウンド的にもエリックさんレベルの太く確実なハイノートを耳が要求してしまうのだ。
もう一つ言えることは、2日目以降のライブがおすすめという点だ。初日の演奏は2日目以降の演奏と比べ、ややぎこちなかった。曲目や曲順、ライブの構成も2日目から変わり初日より2日目以降のほうがライブが盛り上がっていたように感じる。また、最終日は通しで聴いたが、1stより2ndの方が明らかにお客さんもミュージシャンも盛り上がっていた。

BUDDY RICH ALL-STAR ALUMNI BIGBAND

BUDDY RICH ALL-STAR ALUMNI BIGBAND


>>ブルーノート東京HPの写真付きレポートはこちら

最後に今回私が聴いたライブのセットリストを書いておきます。

2013 6.24(月)1st
1.DANCING MAN
2.GROOVIN HARD
3.NUTVILLE
4.KEEP THE CUSTOMER SATISFIED
5.BEAT GOES ON
6.BASICALLY BLUES
7.MACHINE
8.LOVE FOR SALE
9.MERCY, MERCY, MERCY
10.SLOW FUNK
11.BEULAH WITCH
12.WILLOWCREST
 

6.25(火)2nd
1.DANCING MAN
2.NUTVILLE
3.KEEP THE CUSTOMER SATISFIED
4.BEAT GOES ON
5.BASICALLY BLUES
6.MACHINE
7.WILLOWCREST
8.MERCY, MERCY, MERCY
9.SLOW FUNK
10.(ピアノ・トリオ)
11.BEULAH WITCH
12.LOVE FOR SALE


6.26(水)1st
1.DANCING MAN
2.NUTVILLE
3.KEEP THE CUSTOMER SATISFIED
4.BEAT GOES ON
5.BASICALLY BLUES
6.MACHINE
7.WILLOWCREST
8.MERCY, MERCY, MERCY
9.SLOW FUNK
10.(ピアノ・ソロ)
11.BEULAH WITCH
12.LOVE FOR SALE


6.27(木)1st
1.DANCING MAN
2.NUTVILLE
3.KEEP THE CUSTOMER SATISFIED
4.BEAT GOES ON
5.BASICALLY BLUES
6.MACHINE
7.WILLOWCREST
8.MERCY, MERCY, MERCY
9.SLOW FUNK
10.(ピアノ・ソロ)
11.BEULAH WITCH
12.LOVE FOR SALE

6.27(木)2nd
1.DANCING MAN
2.NUTVILLE
3.KEEP THE CUSTOMER SATISFIED
4.BEAT GOES ON
5.BASICALLY BLUES
6.MACHINE
7.WILLOWCREST
8.MERCY, MERCY, MERCY
9.SLOW FUNK
10.A CHILD IS BORN(ピアノ・ソロ)
11.BEULAH WITCH
12.LOVE FOR SALE
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先日ブルーノート東京でファブリツィオ・ボッソ(Tp)を聴いてきました。


FABRIZIO BOSSO QUARTET ブルーノート東京ファブリツィオ・ボッソ ブルーノート東京

ファブリツィオ・ボッソはイタリアのジャズ・トランペッター。
最近イタリアのジャズ界は大変話題が多いです。サックスのフランチェスコ・カフィーソやマックス・イオナータなど、ジャズの本場アメリカのアーティストの人気を上回る勢いだ。
そして今回聴いてきたファブリツィオ・ボッソも今もっとも注目されているジャズ・トランペッターと言えるだろう。


FABRIZIO BOSSO QUARTET ブルーノート東京
(C)BLUE NOTE TOKYO OFFICIAL BLOG

私が聴いたのは9/20(月)の1stステージ。
話題のボッソをじっくり聴きたかったので、いい席をねらって早めに行きました。
その甲斐あって受付番号4番!ど真ん中のややうしろに座りました。

いやー素晴らしかったです!
まずなんといってもルックスがかっこいい!ジーパンに白シャツ、そしてシックに黒のベストを着てやや色のついたクールなメガネをかけ、背も高い。
かっこよすぎです。


1曲目、ファンキーな雰囲気で始まり、いきなりボッソワールドに引きづり込まれたかと思っていたら、突然「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」のテーマ・・・「えっ、この曲だったの!?」・・・それに続いてバンドもオーソドックスなジャズワルツになり、会場を沸かす。
ボッソは4ビート、ファンク、ラテン、バラード・・・どんな音楽も最高のプレイを聴かせてくれる。
今回のステージでは、アンコールを含む全8曲のほとんどが私の持っている数枚のCDに収録されており、よりいっそう感激させられた。


【9/20 1st show セットリスト】
1.SOMEDAY MY PRINCE WILL COME
2.BOSSAND
3.BLACK SPIRIT
4.DO YOU KNOW WHAT MEANS TO
   MISS NEW ORLEANS
5.ROLLING WITH MR.TUCCI
6.WOMAN'S GLANCE
7.SPIRITO LIBERO
<アンコール>
8.NUOVO CINEMA PARADISO
【ファブリッツィオ・ボッソ・カルテット+1】
Fabrizio Bosso(tp)
ファブリッツィオ・ボッソ(トランペット)
Roberto Cecchetto(g)
ロベルト・セチェート(ギター)
Luca Mannutza(p)
ルカ・マヌッツァ(ピアノ)
Luca Bulgarelli(b)
ルカ・ブルガレッリ(ベース)
Lorenzo Tucci(ds)
ロレンツォ・トゥッチ(ドラムス)


ファブリツィオ・ボッソ ブルーノート東京
(C)BLUE NOTE TOKYO OFFICIAL BLOG

世の中には魅力的なラッパ吹きはたくさんいるが、トータル的に優れた奏者は意外に少ないように思う。しかしボッソの場合、数々の演奏を聴いてみても「弱点」が見あたらない。

ファブリツィオ・ボッソのトランペットの音は、場面ごとにいろいろな音色に変化する。
パワフルで張りのある音。
まるでフリューゲルのような柔らかく透き通った音色。
吹き込む息の半分ぐらいしか音になっていないような枯れたサブトーン。
これらの音を自分の意思で吹き分けているようだ。

そして広い音域。実音ローFからハイFまでの3オクターブをず太い音色で吹き鳴らす。たまにあえてマイクをよけ、生音を聴かせる場面もあったがそれでも十分なくらいよく鳴っている。
そして何といってもアドリブのすごさは圧巻でした。・・・んー・・・どう表現すればいいのか・・・。これでもか、これでもかとゾクゾクするようなフレーズが絶えることなく吐き出されていく。
会場のお客さんは完全にボッソのプレイに引き込まれていたようだ。特に印象に残ったのは、ボッソのソロの前に演奏した他のメンバーのソロへの拍手。ピアノやギターのソロが終わったときの拍手がすぐに止んでしまう・・・というより拍手自体が少ない。そのあとに続くボッソのソロを一音たりとも聴き逃したくないのだ。お客さんは皆そう思っていたに違いない。
一音一音に魂が入り、無駄な音がまったくない。誰もがソロの最初から夢中にさせられてしまうのだ。

ボッソはライブ開始から曲間もまったく喋らず、曲紹介もないままラストの7曲まで一気に演奏した。
最後の曲の途中、やっと声を出しメンバー紹介などほんの少し喋り、演奏は終了した。

そして客席からはアンコールを催促する拍手。
再びメンバーがステージに戻り、アンコールの演奏が始まった。
しっとりとした静かな雰囲気で始まり、テーマが出てきたとき私は全身鳥肌に覆われた。

その曲は「NUOVO CINEMA PARADISO」(ニュー・シネマ・パラダイス)。

ニュー・シネマ・パラダイス
ニュー・シネマ・パラダイス
ファブリツィオ・ボッソの「ニュー・シネマ・パラダイス」はこのCDで聴くことができる。
このほか「Georgia On My Mind」なども後半の盛り上がりで鳥肌たちます。
このアルバムとくにおすすめです。
最後にこの曲をもってくるとはなんというドラマチックな演出でしょう。
半分息が漏れているような枯れたサブトーンでしっとりと歌い上げるボッソの泣きのトランペット。会場のすべての人がその魅力的な演奏に聴き惚れている。
ボッソがテーマを吹いたあと、ピアノソロがしばらく続き、そして再びボッソがアドリブをとることなくテーマを吹き、曲が終わった。
お客さんは完全にノックアウト状態。拍手とともにどよめきすら聞こえてきた。
大抵はもう一度ぐらいはアンコールの拍手が起きるのだが、ノックアウトをくらって伸びてしまったかのようにアンコールの拍手は起きなかった。

アンコールを含む全8曲が終了し、至福の1時間はあっという間に過ぎ去った。

今までブルーノートには何十回来たことか・・・もちろん他の会場も含め、様々なアーティストのライブを今まで何回聴いたかなんて数え切れない。その中で今回のファブリツィオ・ボッソの演奏は自分のなかでは「最高」に近いと思う。

また近いうちに来日されることを期待します。

市原ひかり(トランペット)ライブ自宅から歩いて15分ほどのところにあるCabinというライブハウスに7/13(火)、市原ひかり(Tp)グループが出演するということで聴きに行って来ました。
小田急線本厚木駅前の一番街の中のビルの5階。小さいながらもメジャーなアーティストが多数出演する、神奈川県央地区では知られたライブハウスです。

今年の3月に発売されたCD「MOVE ON 」の発売記念ライブとなっており、この日のメンバーも全員このアルバムのレコーディングに参加したミュージシャンたちでした。
バンド編成は私のもっとも好きなコンボのスタイル、トランペットとアルトサックスのフロント2管のクインテットだ。

<市原ひかりグループ>
市原ひかり(Tp)
浅井良将(A.Sax)
堀秀彰(Pf)
中林薫平(B)
安藤正則(Dr)

可愛らしいスタイルで登場した市原ひかりさん、頭にもピンク色の大きなリボンを付けていて、知らない人は彼女がジャズ・トランペッターだとはまず思わないだろう。
マイクを持ち、あいさつと最初に演奏する自身作曲の「クオツリー」の曲紹介があり、演奏が始まった。
バンドメンバーは公称年齢から計算してみると平均年齢29歳。そんな若い人たちの演奏とは思えない本物のサウンドだ。そしてそのサウンドに乗って市原さんのトランペットがゴキゲンに歌う。
市原さんのトランペットを私が初めて聴いたのは彼女がまだデビューするかしないかのころ、エリック宮城EMバンドのライブに新人紹介のようにゲスト出演したときだったと思う・・・新大久保時代のSOMEDAYだったかな?「若い女の子がよく吹くなぁ」と衝撃を受けたのを覚えている。

市原ひかり エリック宮城 共演
NHK-BS2「シブヤらいぶ館」でのエリックさんとの共演(2006年)
その何年か後にもやはりエリックさんと一緒にテレビ出演し、共演したときの映像も残っているが、その時も少々緊張ぎみではあったものの見事な演奏を聴かせてくれたが、あれから数年経った今、彼女の演奏は格段に進化していた。


まず何と言っても「音」がいい。細身の体からは想像もできない太い中低音域は、彼女の師匠、原朋直さんの音色を連想させる。そしてその音に自然にかかるモジュレーションビブラートは彼女のプレイを本格的なジャズサウンドに仕立て上げているように思う。

そしてアドリブ・・・本当にすばらしい。
バップ屋さんにありがちな「組み立て式インプロビゼーション」とはまるで違い、その場の感情を自由に音で表現している。

そして「市原ひかりグループ」というバンドカラーがあり、それがまたいいサウンドをしている。
古典的なバップスタイル、あるいは曲想によってはモダンジャズといったトラディショナルなジャズスタイルを持ちつつ、若いバンドらしいコンテンポラリーなサウンドをしっかりと出している。
メンバーは皆若いが、それぞれに高度なテクニックを持っていて、それゆえに変なことをやりがちだが、どんなに盛り上がっても危険な一線を越えない。それもまた好感が持てる。

演奏曲は、メンバーのオリジナルがほとんどで、唯一のスタンダードナンバー「Everything Happens To Me」も、このバンドらしい独特のアレンジだった。

<セットリスト>
1stステージ
  1.クオツリー
  2.朱鷺(トキ)
  3.Everything Happens To Me
  4.梅雨あけ
  5.Brain Weather

2ndステージ
  1.新年度
  2.年度末
  3.Sink
  4.Float
  5.Inspiration

アンコール
  Smile
市原ひかり トランペット&フリューゲルホルン

全身全霊をこめて吹く市原さんのプレイは大変ダイナミックで、お客さんを惹きつけっぱなしだった。
そしてそのダイナミックな演奏でアンコールを含む11曲を吹ききる彼女は大したスタミナだ。

全ての演奏が終わり、彼女が持参したCDもたくさん売れていたようです。私も1枚購入しました。
そしてブログ用に写真を撮らせてほしいと言うと、なんとメンバー全員が並んでくれたのです。市原さん、そしてメンバーのみなさんありがとうございました。

市原ひかりグループ
左から安藤正則、浅井良将、市原ひかり、中林薫平、堀秀彰


MOVE ONMOVE ON
市原ひかり 市原ひかりグループ

曲名リスト
1. やみくろ
2. A STORY OF RABBIT
3. EVERYTHING HAPPENS TO ME
4. アウターリミッツ
5. 年度末
6. 梅雨あけ
7. 新年度
8. SMALL,GOOD THING
9. INSPIRATION

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